母の還暦に時計を贈るなら

母の還暦に時計を贈るなら

私は、大学を卒業して就職したと同時に、実家を離れて一人暮らしが続いています。

 

入社して数ヵ月は、かなりホームシックにかかってしまったので、
定期的に両親に電話をかけていました。

 

特に母親には昔からよく話を聞いてもらっていたので、
仕事の悩みや人間関係の相談をよくしていたんです。
しかし、1年・2年と経験を積むうちに、自分でできることが増えてきたので、
あまり悩むことが少なくなってきました。
それと比例して、母親に電話をする機会も減ってきたんです。

 

そろそろ母親に電話しないといけないな…
と思ってはいるものの、仕事やプライベートで忙しく、
たった5分の電話をするのもめんどくさくなってきました。

 

そんなある日、父親からポツリと
「お前が電話してくれないって、母さん悲しんでたぞ」
と冗談半分で言われました。
やっぱり、何歳になっても子供は子供。
親からすると声を聞きたいものです。

 

そんな母親が還暦を迎えるということで、何をプレゼントしようか考えていました。
そこで、私の「声」をプレゼントしよう、と思ったのです。
毎日電話できればいいのですが、なかなかそういう訳にはいきません。

 

そこで、声を録音することができる目覚まし時計を買い、
私の声で母親を起こすメッセージを録音しました。
それをプレゼントしたところ、泣いて喜んでくれたんです。

 

たまに電話はしますが、
毎日私の声を聞かせてあげることを嬉しく思っています。
遠く離れた母親を安心させることができて、
この時計をプレゼントして本当によかったと思います。

 

いつまでたっても親離れ、子離れできない親子ですが、
これからも仲良くやっていきたいと思います。